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電気設備管理

 主な設備:分電盤、受変電設備、ブレーカー、照明、非常用発電機
 電気が安全に供給されているかを確認します。異常な音、焦げ臭いにおい、警報表示などに注意します。
 


 ■デマンド(demand)
 デマンドは英語で 「需要」「要求」「求め」 という意味です。
 例えば、
 ・市場のデマンド → 市場の需要
 ・顧客のデマンド → 顧客からの要求・要望
 ・デマンドに応える → 相手の求めに応える
 ・オンデマンド → 要求に応じて提供する
 ビジネスでは特に「需要」という意味で使われることが多いです。


 

 高圧電力契約では、デマンド値(最大需要電力)が上がると、基本料金が上がるのがポイントです。
 例えば
 仮に、契約の基本料金単価が 1,800円/kW だとすると、
 デマンド 100kW → 1,800円 × 100 = 180,000円/月
 デマンド 120kW → 1,800円 × 120 = 216,000円/月
 デマンドが 20kW上がるだけで、月36,000円 基本料金が増えます。
 さらに重要なのが、一度記録された最大デマンドが、その後の基本料金に影響する場合があることです。

 例えば、
 普段は100kW
 ↓

 ある日に一時的に150kW
 ↓

 最大デマンドが150kWになる
 ↓

 その後も高い基本料金が続くということがあります。

 1、なぜ「30分」が重要?
 電力メーターは、瞬間的に150kW使ったかどうかではなく、30分間の平均使用電力を見てデマンド値を計算します。
 そのため、「同時にたくさんの機械を動かさない」だけでもデマンドを下げられることがあります。
 例えば、工場なら「空調・コンプレッサー・大型モーター・電気炉」などを同時に起動しないようにする、といった対策です。


 2、「監視パソコンの画面を見て、デマンドが上がってきたとき、ビルメン責任者がどう動くか」
 デマンド監視装置を見ながら行う実際の対応
 まず、監視画面をイメージしてください。
 画面を見たとき、ビルメンは単純に「385kWだから危険だ!」とは判断しません。
 重要なのは、「このまま電力使用量が上がり続けるのか?」を見ることです。

 ① まず監視パソコンを見る
 例えば夏の午後です。
 空調がたくさん動いています。
 監視画面を見ると、現在:385kWとなっています。
 そこで、「いつもより電気を使っているな」と気づきます。
 次に確認するのが、「デマンドの上昇速度」です。
 例えば、
 13:00 320kW
 13:10 350kW
 13:20 375kW
 13:30 385kW
 このように上がっているなら、「まだ上昇している」と判断します。

 ② 予測値を見る
 デマンド監視装置には、機種によって予測デマンドが表示されます。
 例えば、  
 現在電力   385kW
 予測デマンド 425kW
 契約電力   450kW
 この場合、今は385kWだけど、このままいくと425kWくらいになる可能性があるという意味です。
 そこで、「契約電力450kWに近づいている」と考えます。

 ③ 何が電気を使っているのか確認する
 ここがビルメンの重要な仕事です。
 「デマンドが高い」だけでは原因が分かりません。
 そこで監視画面や現場を確認します。
 例えば、
 電力上昇
 ↓
 何が動いている?
 ↓
 空調?
 冷凍機?
 ポンプ?
 換気設備?
 照明?
 テナント設備?
 という順番で確認します。

 ④ 空調設備を確認する
 夏なら、まず空調関係を確認することがあります。
 例えば、
 冷凍機
 ↓
 冷却水ポンプ
 ↓
 冷却塔
 ↓
 空調機
 などが運転しています。
 冷凍機などの熱源設備は電力使用量が大きい場合があります。
 そのため、「冷凍機が何台運転している?」 「空調機はどのくらい動いている?」 「ポンプはどうなっている?」などを確認します。

 ⑤ 現場を確認する
 監視パソコンだけでは判断できない場合があります。
 そこで現場へ行きます。
 例えば、
 監視室
 「デマンド上昇中」
 ↓
 機械室
 「冷凍機2台運転」
 ↓
 空調機械室
 「多数の空調機が運転」
 ↓
 テナントフロア
 「空調がフル運転」というように確認します。

⑥ 不要な設備がないか確認
 例えば、来1台で足りるポンプが2台運転しているなどの場合があります。
 また、誰も使用していないエリアの空調、不要な照明、不要な換気設備
 一時的に使用している大容量設備などを確認します。

 ただし、ここは非常に重要です。
 ビルメンが勝手に設備を止めない
 設備を停止すると、
 ・テナントに影響する
 ・温度管理に影響する
 ・他の設備に影響する
 ・建物の運用に支障が出る
 可能性があります。
 したがって、「止めればいい」ではありません。

 ⑦ 上司・責任者へ報告
 例えばあなたが責任者なら、
 「現在デマンド385kWです。予測425kWまで上昇しています。現在、冷凍機2台と各階空調が運転しています。不要設備の確認をしています。」
 という報告をします。
 これなら上司も状況を理解しやすいです。

 ⑧ 必要なら運転調整
 建物のルールや上司の指示に従って、
 例えば、
 ・空調設定温度の調整
 ・空調機の運転時間調整
 ・不要な設備の停止
 などを行うことがあります。
 例えば、
 デマンド
 425kW
 ↓
 運転状況確認
 ↓
 不要な空調を確認
 ↓
 責任者へ報告
 ↓
 運転調整
 ↓
 400kW
 ↓
 デマンド上昇が止まる
 という流れです。

 では、450kWに近づいたら?
 例えば、
 現在   440kW
 予測   455kW
 契約   450kW
 となったら、かなり注意します。
 この場合は、「このまま上昇させないために何ができるか」を早めに検討します。


 3、ビルメン責任者としての考え方
 デマンド対応では、「数字を見るだけ」ではなく、「数字 → 原因 → 現場 → 対応」という流れが大切です。
 覚え方はこれです。
 ① 数字を見る
 ② 上昇しているか?
 ③ 予測値を見る
 ④ 原因を考える
 ⑤ 設備を確認
 ⑥ 現場確認
 ⑦ 上司・関係者へ報告
 ⑧ 必要な運転調整
 ⑨ デマンドが下がったか確認


 4、まず3つ
 デマンド監視画面を見たら、まず、
 ① 現在何kWか?
 ②
予測は何kWか?
 ③
何の設備が電気を使っているか?
 この3つを確認する癖をつけると、かなり分かりやすくなります。
 
 特に「監視パソコンでデマンド上昇を発見 → 現場確認 → 冷凍機・ポンプ・空調を確認 → 上司へ報告」という流れは、
 実際のビルメン業務を理解するうえで重要です。