■ビルメン現場における人間関係について
ビルメンの仕事では、設備の知識と同じくらい「人間関係」が重要です。
特に、現場には年齢・経験・考え方が違う人が集まるので、初心者や責任者は人間関係で悩みやすいです。
ビルメンの職場で関わる主な人
大きく分けると、次のような人たちと関わります。
・同じ設備員・ビルメン仲間
・責任者・主任・所長
・年上のベテラン社員
・年下のベテラン社員
・新人・未経験者
・清掃スタッフ
・警備スタッフ
・建物のオーナー・管理会社
・設備業者・メーカー
・テナント・入居者
つまり、ビルメンは「一人で機械を見る仕事」に見えて、実際にはかなり人と関わる仕事です。
1.ビルメンで人間関係が難しくなる理由
①年齢差が大きい
例えば、
20代の新人
30~40代の社員
50~60代のベテラン
というように、幅広い年代が一緒に働くことがあります。
特に、「自分より年下の責任者」→「年上のベテラン」
という関係になると難しくなります。
年下だからといって遠慮しすぎると、
「この人の指示は聞かなくてもいい」と思われてしまう可能性があります。
逆に、年齢を理由に強く命令すると反発されることがあります。
2.ベテラン社員との付き合い方
ビルメンでは、経験豊富なベテランが非常に重要です。
例えば、
「このポンプは以前にも調子が悪くなった」
「この警報は過去にも出たことがある」
「この業者はこの方法で修理する」
など、マニュアルには載っていない現場の経験値を持っています。
そのため、責任者になったとしても、
「自分が一番偉い」ではなく「経験を尊重する」
という姿勢が大切です。
使いやすい言葉
「○○さん、この設備について以前の状況を教えてもらえますか?」
「経験があるので、○○さんの意見も聞かせてください。」
これだけでも、かなり関係が変わります。
3.ただし「言うことを聞かない人」には注意
一方で、ベテランだからといって、何でも許していいわけではありません。
例えば責任者が、
「今日はこの作業をお願いします。」
と言ったのに、
「俺はそんなやり方ではやらないよ。」と拒否する。
あるいは、
「そんなことは後でいい。」 と勝手に判断する。
こういう場合は、人間関係と業務上の指示を分けることが重要です。
悪い対応
「年上なんだから、言うことを聞いてください!」
これは相手のプライドを刺激します。
良い対応
「○○さんの経験は私も頼りにしています。ただ、今回については責任者としてこの方法でお願いします。」
これなら、 経験は尊重する。しかし最終的な業務判断は責任者がする。という線引きができます。
4.ビルメンでは「報告・連絡・相談」が非常に重要
人間関係のトラブルの多くは、「言った・言わない」 から始まります。
例えば、
「昨日、○○さんに伝えました。」
「いや、聞いてない。」
という問題です。
これを防ぐには、
① 口頭で伝える
↓
② 重要なことはメモする
↓
③ 必要ならメール・チャットなどで残す
という方法が有効です。
特に、設備故障、業者作業、工事日程 、オーナーへの報告、テナントへの対応、危険作業
などは、記録を残した方が安全です。
5.「悪口」に参加しすぎない
ビルメンの職場では、「あの人は仕事をしない」 「所長は何も分かっていない」「あの業者はダメだ」 などの会話が出ることがあります。
もちろん、仕事上の問題について相談することは必要です。
ただし、誰かの悪口を一緒になって言い続けるのは避けた方がいいです。
なぜなら、
「この人は自分のことも他の場所で話しているかもしれない」と思われるからです。
おすすめは、
「そうなんですね。」 「いろいろありますよね。」
くらいで止めておくことです。
6.新人には「怒る」より「教える」
新人がミスをしたとき、
「何でこんなことも分からないんだ!」
と言ってしまうと、次から質問できなくなります。
ビルメンでは、これは危険です。
なぜなら新人が、「怒られるから報告しない」となってしまうからです。
設備異常を隠される方が、ミスそのものより危険な場合があります。
例えば
新人: 「警報が出ています。でも何か分からないので、そのままにしています。」
責任者:「分からないときは、そのままにしないで必ず報告してください。」
こういう教育が重要です。
7.「質問しやすい職場」を作る
ビルメン初心者にとって、分からないことを聞ける環境は非常に大切です。
例えば、 「分からなかったら聞いてください。」だけではなく、
「この設備は初めてだと思うので、分からなかったら一緒に確認しましょう。」
と言う方が質問しやすくなります。
8.オーナー・管理会社との人間関係
ビルメンでは、オーナーや管理会社との関係も重要です。
設備トラブルが発生した場合、
事実 → 原因 → 対応 → 今後の予定
の順番で説明すると伝わりやすくなります。
例えば、
「現在、空調機が停止しています。」
↓
「現場を確認したところ、ブレーカーが落ちています。」
↓
「現在、メーカーに確認を依頼しています。」
↓
「復旧については、メーカーの回答を待って判断します。」
このように、感情ではなく事実を伝えることが大切です。
9.業者との人間関係
設備業者とも良い関係を作っておくと仕事が進みやすくなります。
ただし、仲良くなることと、業者の言いなりになることは違います。
例えば、
「いつもありがとうございます。」という関係を作りながら、
「今回の見積内容について、もう少し詳しく教えてください。」
と必要な確認はする。
これが大切です。
10.ビルメンの人間関係で大切な5つ
私なら、次の5つを特に重要視します。
① 相手の経験を尊重する
「ベテランだからダメ」ではなく、
経験を利用して仕事を良くする。
② 指示は具体的にする
×「これやっておいて」
○「10時までに○階の空調機を確認して、異常があれば報告してください。」
③ 感情的にならない
怒った状態で指示を出さない。
④ 重要事項は記録する
「言った・言わない」を防ぐ。
⑤ 人間関係と仕事を分ける
仲が良い人にも必要な指示をする。
苦手な人にも公平に接する。
11.責任者なら「好かれる」より「信頼される」
これは特に重要です。
責任者が、 「みんなに好かれよう」とすると、必要なことを言えなくなることがあります。
例えば、
「今日はこの作業をお願いします。」
と言うべきところで、
「悪いんだけど……できたらお願いしてもいいかな……」
となってしまう。
これでは責任者として弱くなります。
目指したいのは、
「怖い人」でも「何でも許す人」でもなく、話を聞いてくれて、判断するときは判断する人」 です。
ビルメンの人間関係を一言でいうと
「人を大切にしながら、仕事のルールは曖昧にしない」
これが一番大切だと思います。
特に責任者の場合は、
相手の経験を尊重する
↓
話を聞く
↓
自分の判断を伝える
↓
具体的に指示する
↓
結果を確認する
この流れを身につけると、かなり仕事がしやすくなります。
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