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電気設備管理
主な設備:分電盤、受変電設備、ブレーカー、照明、非常用発電機
電気が安全に供給されているかを確認します。異常な音、焦げ臭いにおい、警報表示などに注意します。
■分電盤
建物に入ってきた電気を各部屋や設備に分けて配るための装置です。
設備管理では非常に重要な設備なので、まずは「電気の配給センター」と考えると分かりやすいです。
1,分電盤とは?
電力会社から送られてきた電気は、そのままでは建物全体で使えません。
そこで分電盤が、
照明
コンセント
エアコン
給水ポンプ
エレベーター
などへ電気を分配します。
イメージは次のようになります。
電力会社
↓
引込線
↓
分電盤
├─ 照明
├─ コンセント
├─ エアコン
├─ ポンプ
└─ その他設備
身近な例
マンションや自宅の玄関近くにある金属製の箱を見たことはありませんか?
その中に、
・ブレーカー
・スイッチ類
が並んでいるものが分電盤です。
2、分電盤の役割
① 電気を分ける
建物に入ってきた電気を必要な回路へ分配します。
例えば
・リビング
・キッチン
・トイレ
・エアコン
を別々の回路にします。
② 電気事故を防ぐ
電気の使いすぎや漏電が発生した場合に自動で電気を止めます。
火災や感電事故を防ぐための重要な役割です。
③ 設備を保護する
過電流や短絡(ショート)が起きたときにブレーカーが動作して機器を守ります。
3、分電盤の主な部品
主幹ブレーカー
建物全体の電気を管理するブレーカーです。
主幹ブレーカー
↓
全ての回路
異常があると建物全体の電気が止まります。
子ブレーカー(配線用遮断器)
各回路ごとのブレーカーです。
照明回路
↓
子ブレーカー
コンセント回路
↓
子ブレーカー
一部の回路だけを停止できます。
漏電ブレーカー
漏電を検知する装置です。
例えば、
・電線の被覆破損
・水濡れ
などで漏電すると、自動で電気を遮断します。
母線(バスバー)
電気の通り道になる金属部分です。
分電盤の内部で電気を各ブレーカーに分配しています。
4,ブレーカーが落ちるとは?
よく聞く言葉ですが、「ブレーカーが落ちる」とは、安全のために電気を自動停止することです。
主な原因は、電気の使いすぎ
電子レンジ
+
ドライヤー
+
エアコン
↓
容量オーバー
↓
ブレーカー遮断
漏電
機器故障
↓
漏電発生
↓
漏電ブレーカー作動
ショート(短絡)
電線接触
↓
大電流発生
↓
ブレーカー作動
5、設備管理での点検ポイント
見るべきポイントは次のとおりです。
・異常音がしないか
・焦げ臭い臭いがないか
・盤内が過熱していないか
・ブレーカーが落ちていないか
・警報ランプが点灯していないか
・扉が確実に閉まっているか
・ホコリがたまっていないか
よくあるトラブル
ブレーカーが頻繁に落ちる
原因
・電気の使いすぎ
・機器故障
・回路容量不足
漏電ブレーカー動作
原因
・雨水侵入
・絶縁劣化
・電気機器故障
盤内発熱
原因
・端子のゆるみ
・接触不良
・過電流
焼損(しょうそん)
原因
・長期間の接触不良
・過負荷運転
設備停止や火災につながることがあります。
6、設備管理初心者向けの覚え方
建物を人間の体に例えると、
受水槽 = 胃袋
給水ポンプ = 心臓
配管 = 血管
受電設備 = 発電所
分電盤 = 分岐点
電線 = 神経
というイメージです。
7、まず覚えること
分電盤を見るときは、
・ブレーカーが落ちていないか
・異臭(焦げ臭い臭い)がないか
・異常な熱を持っていないか
・警報表示が出ていないか
この4つを確認できれば十分です。
■分電盤の点検方法
分電盤は「建物の電気を安全に配る司令塔」です。
設備管理では毎日の巡回で分電盤の状態を確認することが、電気トラブルの早期発見につながります。
分電盤の点検方法を「日常点検」で実施できる内容を中心に説明します。
1、分電盤点検の目的
分電盤の点検は、
停電の予防
火災の予防
漏電事故の防止
設備故障の早期発見
が目的です。
特に「熱・音・臭い・見た目」の異常を見つけることが重要です。
2、基本の点検手順
① 外観点検
まずは分電盤の外側を確認します。
チェック項目
・扉の開閉に異常がない
・鍵が正常にかかる
・変形やサビがない
・水漏れや結露がない
・盤の周りに物が置かれていない
異常例
・扉が閉まらない
・雨水が侵入している
・サビが多い
②
ブレーカー確認
盤を開けてブレーカーを確認します。
チェック項目
・主幹ブレーカーがON
・子ブレーカーがON
・漏電ブレーカーが正常
・トリップしたブレーカーがない
通常はハンドルが上側(ON)です。
ON ↑
OFF ↓
※メーカーによって異なります。
③
異臭確認
非常に重要です。
確認方法
盤を開けて臭いを確認します。
異常臭の例
・焦げ臭い
・プラスチックが溶けた臭い
・ゴムが焼けた臭い
・端子のゆるみ
・過電流
・接触不良
が原因です。火災につながることがあります。
④
異音確認
耳を近づけて確認します。
正常
わずかな運転音
異常
ジリジリ、パチパチ、ブーン(大きい音)
これらは接触不良の可能性があります。
⑤
発熱確認
手を近づけて確認します。
チェック場所
主幹ブレーカー
子ブレーカー
ケーブル接続部
異常例
・一部だけ極端に熱い
・触れないほど高温
特定箇所だけ熱い場合は要注意です。
※無理に触らず、非接触温度計やサーモグラフィがある場合は使用します。
⑥
表示灯・警報確認
盤面にランプがある場合
確認項目
・電源ランプ
・運転ランプ
・故障ランプ
・漏電警報
・異常表示
赤ランプが点灯していたら内容を確認します。
⑦
盤内清掃状況確認
チェック項目
・ホコリが溜まっていない
・虫の侵入がない
・ゴミがない
ホコリは発熱の原因になります。
3、月例点検で確認したい項目
日常点検に加えて、
ネジの緩み
端子の緩み
取り付けボルトの緩み
絶縁状態
ケーブル被覆の損傷
変色
ブレーカー動作確認
テストボタンによる動作確認
を行います。
※電気工事士などの有資格者が実施することがあります。
4、危険な症状
次の症状を見つけたら、すぐに上司や専門業者へ連絡しましょう。
・焦げ臭い
・白煙が出ている
・火花が出ている
・ブレーカーが頻繁に落ちる
・ケーブルが変色している
・盤内でパチパチ音がする
11、初心者向け点検チェックリスト
毎日の巡回では次の7項目を見れば十分です。
・扉、外観異常なし
・ブレーカー正常
・異臭なし
・異音なし
・異常発熱なし
・警報なし
・ホコリ・水漏れなし
覚え方
設備管理では分電盤点検を
「見る・聞く・嗅ぐ・触れる」
の4つで覚えると分かりやすいです。
見る → 変色、警報、ブレーカー
聞く → 異音
嗅ぐ → 焦げ臭
触れる → 発熱
この4つを意識するだけでも、多くの電気トラブルを早期に発見できます。
5、してはいけないこと
「安全第一」が最も重要です。電気は目に見えず、感電や火災の危険があるため、初心者の方は無理な作業をしないことが大切です。
①
充電部に触れない
分電盤の中には電気が流れている部分(充電部)があります。
注意
・裸の端子に触る
・工具を近づける
・金属部分に手を入れる
感電や短絡事故の原因になります。
②
濡れた手で触らない
点検前に必ず確認しましょう。
注意
・濡れた手でブレーカー操作
・雨の日に濡れた状態で点検
感電の危険があります。
③
無理にブレーカーを操作しない
ブレーカーが落ちていても原因を確認せずに復帰させないようにします。
例
漏電
機器故障
配線異常
が原因の場合があります。
何度も投入すると設備を壊したり危険な状態になることがあります。
④
異常な臭い・音がしたら近づきすぎない
次のような状態なら要注意です。
・焦げ臭い
・パチパチ音がする
・煙が出ている
・異常発熱している
この場合は無理に触らず、上司や電気担当者へ報告しましょう。
⑤
発熱確認は慎重に
手で触る場合は直接ではなく、手の甲を近づける、少し離れた位置で熱を感じるようにします。
高温になっている場合、やけどの危険があります。
⑥
盤の前に物を置かない
点検や緊急操作ができなくなります。 一般的には分電盤前には十分な作業スペースを確保します。
NG例
・段ボール
・掃除道具
・備品や在庫品
⑦
盤内清掃は注意
ホコリは火災の原因になりますが、
・濡れた雑巾
・水拭き
は使用しません。
乾いた布や適切な清掃器具を使います。
⑧
一人で危険作業をしない
次の作業は初心者だけで行わないようにします。
電線の増し締め
ブレーカー交換
絶縁測定
盤内配線作業
これらは資格や知識が必要な作業です。
6、初心者が覚えるべき3つの禁止事項
「触らない」
充電部には触れない
「濡らさない」
水気のある状態で作業しない
「無理しない」
異常があれば報告する
7、巡回点検の基本
初心者の方はまず、
見る(変色・警報)
聞く(異音)
嗅ぐ(焦げ臭)
感じる(異常発熱)
を意識して点検しましょう。
「点検はしても、むやみに触らない」のが分電盤点検の基本です。
異常を早期発見し、必要に応じて有資格者へ引き継ぐことが安全な設備管理につながります。
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