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■図面の読み方
 ビルメンテナンスの仕事では、図面を読めるようになると、設備の場所と仕組みを把握しやすくなります。
 最初からすべてを理解する必要はありません。まずは、次の2点を確認できることを目標にしましょう。

 
 
・設備がどこにあるか
 
・配管や配線がどのようにつながっているか


 1. 図面とは
 
図面とは、建物や設備の設計図です。
 
例えば、どこに分電盤があるか、どこに給水ポンプがあるか、どこに空調機があるかを確認できます。


 2. ビルメンがよく使う5種類の図面
 
ビルメンテナンスで主に使う図面は、次の5種類です。
 
・平面図
 
・系統図
 
・配管図
 
・配線図
 
・機械配置図

 2.1 平面図
 
最もよく使います。
 
部屋の位置
 
機械室の位置
 
設備の設置場所
 
非常口

 平面図で確認するポイント
 
巡回前に、次の設備の位置を確認します。
 
・受信機
 
・分電盤
 
・ポンプ室

 
2.2 系統図
 
初心者が最優先で覚える図面です。
 
設備の流れが分かります。
 
例:給水系統
 
水道 → 受水槽 → 給水ポンプ → 高架水槽 → 各階

 系統図のメリット
 
設備の流れを追えるため、断水などのトラブルが起きたときに、原因箇所を絞り込みやすくなります。

 2.3 配管図
 
配管図は、給水管・排水管・冷水管・冷却水管などの経路と接続関係を示す図面です。
 
配管の種類とルート
 
・バルブの位置
 
・ポンプの位置
 
・流れの方向
 
・ストレーナーの位置

 2.4 配線図
 
配線図は、電源からブレーカー、モーターなどへ至る電気の接続と制御の流れを示す図面です。
 接続例:電源 → ブレーカー → モーター
 電源の供給先
 制御の流れ
 インターロック
 故障調査に必要な接続関係

 2.5 機械配置図
 機械配置図は、機械室内にある冷凍機、冷却塔、ポンプなどの設置場所と周囲の位置関係を確認するための図面です。

 3. 最初に覚えたい基本記号
 
3.1 電気

 記号  意味
 M  モーター
 L  証明
 CB  ブレーカー

 
 3.2 給排水
 記号  意味
 P  ポンプ
 V  証明
 T  ブレーカー


 3.3 空調
 記号  意味
 AHU  空調機
 FCU  ファンコイル
 CT  冷却塔


 ※記号や略号は、現場や設計会社によって異なる場合があります。 


 4. EPS・PSを理解する
 EPSとPSは、図面や巡回点検で頻繁に確認する設備スペースです。
 
EPS(Electric Pipe Space):電気配線を収容するスペース。巡回時は漏電や異常の有無を確認します。
 PS(Pipe Space):給排水などの配管を収容するスペース。巡回時は漏水の有無を確認します。


 5. 初心者におすすめの読み方
 
初心者は、設備の位置から流れ、詳細へと段階的に確認すると理解しやすくなります。
 平面図:設備の場所を覚える
 
系統図:設備の流れを覚える
 配管図:配管のルートを覚える
 
配線図:電気の流れを覚える


 5.1 トラブル時の図面活用
 
断水が発生した場合は、系統図で「受水槽 → 給水ポンプ → 高架水槽 → 各階」の順に流れを追い、どこで給水が止まっているかを確認します。


 5.2 初心者が陥りやすい失敗
 
図面を最初からすべて覚えようとする
 記号だけを見て、設備全体の流れを見ない
 
配管だけを追い、設備の位置関係を確認しない
 まずは、設備の位置と、水・空気・電気の流れを理解することを優先しましょう。


 5.3 おすすめの覚え方
 
実物の設備と図面上の記号を照合する方法が効果的です。
 例えば、実物の給水ポンプを確認したら、図面上の「P-1」などの機器番号を探します。
 この作業を繰り返すことで、設備と図面の対応関係を覚えられます。


 5.4 最優先で覚える図面
 
建築平面図
 給排水系統図
 
空調系統図
 消防系統図
 
単線結線図


 6. まとめ
 図面は、建物の「地図」と設備の「路線図」と考えると理解しやすくなります。
 平面図:設備がどこにあるかを確認する
 
系統図:設備や配管がどのようにつながり、どちらへ流れるかを確認する
 まずは平面図と系統図を読めるようになることが、巡回点検や設備トラブルへの対応力を高める第一歩です。


 
7. 配管図の記号一覧
 
現場や設計会社によって表記は異なります。次の一覧は、ビルメンテナンスでよく見る代表的な記号・略号を整理したものです。

項目

記号例

意味

配管

──────

配管の経路

立上り配管

↑

上階へ向かう配管

立下り配管

↓

下階へ向かう配管

分岐

──┬──

配管が分かれる箇所




 
7.1 バルブ類
 バルブ(一般)
 ──◇──
 
流体を止めたり流したりする便


 ゲートバルブ
 
──◁▷──
 
仕切弁
 
用途
 ・
給水
 ・
冷温水


 
ボールバルブ
 ──○──
 開閉が簡単なバルブ


 バタフライバルブ
 
──⊗──
 
大口径配管で多い


 逆止弁(チャッキ弁)
 
──▷│──
 
逆流防止


 
電動弁
 
──◇──M
 モーターで開閉

 7.2 ポンプ類
 
ポンプ
 
(P) または○P


 
給水ポンプ
 
P-1
 
P-2
 
などの名称で記載


 排水ポンプ
 
DP
 Drain Pump


 7.3 タンク類
 
タンク
 ┌───┐
 │   T   │
 
└───┘


 受水槽
 
WT Water Tank


 高架水槽
 
RWT Roof Water Tank


 7.4 フィルター類
 
ストレーナー
  
─Y─
 
ゴミ取り装置


 Yストレーナー
 ─Y─
 最もよく見る形です。


 7.5 空調配管の略号
 冷水管
 CHW  Chilled Water


 冷却水管
 
CW Cooling Water


 温水管
 
HW Hot Water


 冷温水管
 
HHW Heating Hot Water


 ドレン管
 DR 排水管


 7.6 消防配管の略号
 
消火配管
 FP Fire Protection


 
屋内消火栓
 
IH Indoor Hydrant


 
スプリンクラー
 
SP Sprinkler


 送水口
 
SI Siamese Inlet


 7.7 排水配管の略号
 汚水管
 
SVP Soil Vent Pipe


 雑排水管
 
DVP Drain Vent Pipe


 雨水管
 RWP Rain Water Pipe


 通気管
 VP Vent Pipe


 7.8 計器類
 
圧力計
 PG Pressure Gauge


 温度計
 
TG Temperature Gauge


 流量計
 FM  Flow Meter


 水位計
 LG Level Gauge


 8. 最初に覚える略号20選

略号

意味

略号

意味

P

ポンプ

V

バルブ

T

タンク

PG

圧力計

TG

温度計

FM

流量計

CW

冷却水

CHW

冷水

HW

温水

DR

ドレン

IH

屋内消火栓

SP

スプリンクラー

FP

消火配管

WT

受水槽

RWT

高架水槽

SVP

汚水管

DVP

雑排水管

RWP

雨水管

VP

通気管

YS

Yストレーナー



 9. 図面を読むコツ
 すべての記号を一度に覚える必要はありません。まずは次の5点に注目します。
 ポンプ(P)
 バルブ(V)
 タンク(T)
 配管の流れ
 矢印の方向
 の5つを優先して見ましょう。

 系統図では、「受水槽 → 給水ポンプ → 各階」のように、水がどこからどこへ流れるかを順に追います。
この見方を身につけると、断水や漏水が発生した際に原因箇所を絞り込みやすくなります。

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