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 ■電気の基礎  ■漏電ブレーカーの仕組み
 結論として、ビルメンが覚えることかは、オームの法則です。
 V(電圧) = I(電流) × R(抵抗)よりも
 W(電力)= V(電圧) × I(電流)と
 I(電流) = W(電力) ÷ V(電圧)です。

 これだけで、電気の基礎(ブレーカー容量、照明負荷、コンセント負荷、モーター電流)の
 おおよその習得と判断ができるようになります。

 
 
 1、電気が難しいと感じる理由はいくつかあります。
 ➀目に見えないから。
 水なら流れる様子が見えますが、電気は普段見えません。
 「電流が流れる」「電圧がかかる」と言われてもイメージしにくいです。

 ②複数の概念があるから
 電圧(V)
 電流(A)
 抵抗(Ω)
 電力(W)
 これらが互いに関係しているため、どれか一つだけ理解しても全体が分かりません。
 
 ③日常感覚と違うから
 電流は「使われる」のではなく回路を一周します。
 電子は非常にゆっくり動くのに、電気の影響はほぼ瞬時に伝わります。 このように直感と異なる現象が多くあります。
 数学が登場するから
 オームの法則 V-IR
 V = I × R   V:電圧(V)、I:電流(A)、R:抵抗(Ω)

 電力の式 P=VI
 理解するために計算が必要になるため、苦手意識を持つ人が多いです。

 ④学校で抽象的に教わることが多いから
 最初から記号や公式が出てきて、「なぜそうなるのか」を実感しにくい場合があります。


 2、簡単に考えるコツ
 電気を「水道」に例えると分かりやすいです。
 電圧 → 水圧
 電流 → 水の流れる量
 抵抗 → 細い管や詰まり
 電力 → 水車を回す力
 
 このイメージを持つと、多くの電気の現象が理解しやすくなります。
 つまり、電気が難しい最大の理由は「見えないものを頭の中でイメージしなければならないから」です。
 逆に言えば、イメージができるようになると急に分かりやすくなります。



 3、電気設備を理解するには、まず次の4つを覚えることが大切
 電圧(V)
 電流(A)
 抵抗(Ω)
 電力(W)
 この4つが分かると、
 ・分電盤
 ・ブレーカー
 ・モーター
 ・ポンプ
 ・照明
 などの理解が楽になります。


 4、電気とは?
 簡単に言うと、「電子が流れること」です。
 イメージ
 電線
 ↓
 電子が流れる
 ↓
 機械が動く


 5、電圧(V)とは?
 電圧は「電気を押し出す力」です。
 水道で例えると
 電圧 = 水圧
 です。
 例
 単相100V
 単相200V
 三相200V

 身近な例
 家庭コンセント
 ↓
 100V
 
 エアコン
 ↓
 200V


 6、電流(A)とは?
 電流は「流れる電気の量」です。
 水道で例えると
 電流 = 水の流量
 になります。

 例
 100V
 ↓
 照明
 ↓
 2A
 2Aの電気が流れている状態です。


 7、抵抗(Ω)とは?
 抵抗は「電気の流れにくさ」です。
 水道で例えると
 細い配管
 ↓
 流れにくいのと同じです。

 単位はΩ(オーム)です。


 8、電力(W)とは?
 電力は「実際に使う電気の大きさ」です。
 単位はW(ワット)です。

 例
 LED照明
 20W

 電気ケトル
 1200W


 9、最重要公式
 ビルメンなら必須です。
 電力
 W = V × A
 例
 100V × 10A
 ↓
 1000W

 覚え方
 V = 電圧
 A = 電流
 W = 電力
 です。

 オームの法則
 電気の基本中の基本です。
 V = A × Ω
 例
 100V÷10Ω
    ↓
    10A


 10、交流(AC)と直流(DC)
 交流(AC)電流の向きが変わる電気
 例
 コンセント
 ビル電源

 直流(DC) 電流が一定方向に流れる電気
 例
 乾電池、バッテリー、DC


 11、単相と三相
 ビルメンはよく聞く言葉です。
 単相
 照明やコンセント用
 単相100V
 単相200V
 
 三相
 モーター用
 三相200V
 ポンプやファンによく使われます。


 12、ブレーカーとは?
 ➀過電流や漏電時に電気を止める安全装置です。
 異常発生
 ↓
 ブレーカー
 ↓
 遮断

 ②ブレーカーが落ちる原因
 ・過負荷
 ・電気の使いすぎ(電子レンジ+ドライヤー+エアコン→容量超過)
 ・漏電
 ・電気漏れ
 配線破損→漏電→遮断


 13、漏電とは?
 本来の通り道以外へ電気が流れることです。
 危険性
 ・感電
 ・火災


 14、接地(アース)とは?
 感電防止設備です。
 電気漏れ
 ↓
 アース
 ↓
 地面へ逃がす


 15、ビルで使う代表的な電圧
 100V
 ↓
 照明・コンセント

 200V
 ↓
 空調機器


 三相200V
 ↓
 ポンプ・モーター


 16、ビルメン巡回で見るポイント
 分電盤
 ・ブレーカー
 ・異臭
 ・異音
 ・発熱

 モーター
 ・異常振動
 ・異音
 ・焼けた臭い

 制御盤
 ・ランプ表示
 ・故障表示
 ・警報


 17、よく聞く単位
 V = ボルト(電圧)
 A = アンペア(電流)
 W = ワット(電力)
 Ω = オーム(抵抗)
 Hz = ヘルツ(周波数)


 18、覚え方
 電気を水道に例えると
 
電圧(V)
 ↓
 水圧

 電流(A)
 ↓
 水の量

 抵抗(Ω)
 ↓
 配管の細さ

 電力(W)
 ↓
 実際の仕事量


 19、最初に覚える5つ
 ① 電圧(V)
 ② 電流(A)
 ③ 電力(W)
 ④ ブレーカー
 ⑤ 漏電
 まずは「電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)」を覚えましょう。
 これが理解できると、分電盤・モーター・ポンプ・照明など、ビル設備の電気の基礎が一気に分かるようになります


 20、オームの法則の応用例
 オームの法則は、
 V = I × R
 V:電圧(V)
 I:電流(A)
 R:抵抗(Ω)

  現場では、計算そのものよりも「なぜブレーカーが落ちたのか」「どれくらい電流が流れるのか」を考えるために使います。


 応用例① コンセント回路の電流を求める
 1500Wの電気ポットを100Vで使う場合
 電力の公式
 W = V × AからA = W ÷ V となります。
 
 計算
 1500W ÷ 100V= 15A
 答え15A
 つまりポットを使うと15A流れます。

 応用例② ブレーカーが落ちる理由
 20Aの回路で、電子レンジ1200W、電気ポット1000W
 合計2200W使った場合、2200W ÷ 100V = 22Aになります。回路容量は20Aなので、22A > 20Aとなり、
 ブレーカーが落ちる可能性が高いということが分かります。

 応用例③ ヒーターの抵抗を求める
 100Vで10A流れるヒーターの場合、オームの法則R = V ÷ Iより、100V ÷ 10A= 10Ω 答え10Ωです。

 応用例④ モーターの消費電流を求める
 三相200Vモーターで2kWの機械があるとします。簡易計算では、2000W ÷ 200V= 10A程度と考えます。
 実際には力率なども関係しますが、概算なら十分です。

 応用例⑤ 延長コードの発熱
 細い電線に大きな電流が流れると、
 電流【↑】
 ↓
 発熱【↑】
 となります。

 例えばドライヤー+電気ポットを同じ延長コードで使用すると発熱して危険です。
 タコ足配線、延長コードの過負荷を見つけたら注意します。

 応用例⑥ 漏電調査
 絶縁抵抗測定で
 
正常
 100MΩ
 異常
 0.1MΩ
 などの場合、抵抗が低いほど電気が漏れやすいという考え方にオームの法則が使われています。
 
 応用例⑦ LED照明の消費電流
 20WのLED照明
 100Vの場合 20 ÷ 100= 0.2Aです。つまり、1灯= 0.2Aとなります。


 21、現場でよく使う計算
 コンセント A = W ÷ 100
 例
 1000W
 ↓
 10A

 200V機器
 A = W ÷ 200
 例
 2000W
 ↓
 
10A

 覚えるべき公式
 オームの法則 V = I × R
 電力の公式  W = V × I

  変形 I = W ÷ V これが最もよく使います。

  現場での覚え方
 例えば、100V、1000Wなら10A、100V、1500Wなら15A、100V、2000Wなら20Aとすぐ計算できるようになると便利です。

  結論
 初心者がオームの法則でまず覚えるべきことは、
 V = I × RよりもW = V × I とI = W ÷ V です。
 これだけで、ブレーカー容量、照明負荷、コンセント負荷、モーター電流のおおよその判断ができるようになります。



 ■漏電ブレーカーの仕組み

 漏電ブレーカーとは、「漏電が起きたときに自動的に電気を止める安全装置」
 です。感電や電気火災を防ぐために設置されています。
 ビルメンの現場では、「漏電ブレーカーは人命を守るブレーカー」と覚えると分かりやすいです。
 「普通のブレーカー」が電線を守るのに対し、「漏電ブレーカー」は感電や火災から人と建物を守る重要な安全装置です。


 1、漏電とは?
 本来、電気は
 電源
 ↓
 機器
 ↓
 電源へ戻る
 という決められた経路を流れます。
 しかし、電線の被覆破損、機器の故障、水濡れなどで電気が外へ漏れることがあります。これが漏電です。


 正常
 電源
 ↓
 機器
 ↓
 戻る

 漏電
 電源
 ↓
 機器
 ↓
 地面へ漏れる


 2、普通のブレーカーとの違い
 配線用ブレーカー
 守るもの
 電線

 検知するもの
 過電流
 短絡(ショート)


 漏電ブレーカー
 守るもの
 人
 設備
 建物
 
 検知するもの
 漏電

 漏電ブレーカーの原理
 漏電ブレーカーは、「行きの電流」と「帰りの電流」を比較しています。

 
 正常時
 例えば
 
行き10A
 
帰り10Aの場合、差は0Aです。異常なし。
 10A
 ↓
 機器
 ↓
 10A

 漏電時
 例えば
 行き10A
 帰り9.95Aの場合、0.05Aがどこかへ漏れています。

10A
 ↓
 機器
 ↓
 9.95A
 0.05A漏電
 この差を検知します。


 3、なぜ落ちるの?
 漏電ブレーカー内部には
 ZCT(零相変流器)というセンサーがあります。

 正常
 行き10A
 帰り10A
 差 0 ZCTは反応しません。


 漏電
 行き10A
 帰り9.95A
 差 0.05A
 一定値を超えると
 漏電検知

 ↓
 遮断します。


 4、感電した場合
 例えば人が漏電した機械に触れると
 電気
 ↓
 人
 ↓
 地面へ流れます。
 すると
 行きの電流 ≠帰りの電流 となり、漏電ブレーカーが作動します。


 漏電ブレーカーのテストボタン
 多くの漏電ブレーカーにはTESTボタンがあります。
 押すと人工的に漏電状態を作り
 正常
 ↓
 テストボタン
 ↓
 遮断
 するか確認できます。


 5、ビルメン巡回での確認ポイント

 外観
 破損なし、焼損なし、異臭なし

 動作状態
 ONになっている、異常遮断なし

 発熱
 異常発熱なし、変色なし

 テスト
 定期的な試験、動作確認


 6、よくある漏電原因
 水濡れ
 特に多いです。
 雨漏り
 ↓
 漏電
 ↓
 遮断

モーター故障
 ポンプ
 ファン
 空調機
 など

 ケーブル劣化
 古い建物で多いです。

 屋外コンセント
 雨水侵入による漏電

 結露
 空調設備周辺で発生


 7、漏電ブレーカーが落ちたら?
 初心者はすぐ復帰しないことが大切です。
 正しい手順
 ① どこが落ちたか確認
 ② 焦げ臭確認
 ③ 水濡れ確認
 ④ 原因調査
 ⑤ 復帰

 NG
 落ちる
 ↓
 投入

 落ちる
 ↓
 投入

 落ちる
 ↓
 投入

 原因を確認せず何度も投入するのは危険です。


 8、ビルメン向けの覚え方
 水道に例えると
 行きの水
 ↓
 10L

 帰りの水
 ↓
 10L
 なら正常です。
 しかし行き10L、帰り9Lなら1L漏れていることになります。
 漏電ブレーカーはこれと同じ考え方で、「行きと帰りの電流の差」を監視しています。


9、覚えるべき3つ
 ① 漏電を検知する装置
 ② 行きと帰りの電流差を見ている
 ③ 感電と火災を防ぐ

 

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